高校生のとき、頻繁に鏡を見てた。
毎授業の合間で、絶対に1回は確認する。
今考えたら、もはや癖だったな。
「いつも鏡見てるけど、何も変わってないし誰も見てないよ?笑」
デリカシー欠如クソ男子から冗談交じりに言われたとき、椅子でソイツの頭をかち割らなかった私は偉い。
「別に誰かのために鏡見てるわけじゃないんだけど?」
でも、こう答えるのが精一杯だった私をぶん殴りたい。もっと嫌味たっぷりに返せばよかった。
スネイプ教授なら、
「どうして"誰かのために"という理由が必要なのだね?君の行動は全て他人のためなのか?我輩が見たところ君は、"誰かのために"と言えるような容姿をしていないように思えるが...」
って返すんだろうな。
可愛い自分を維持することは、「誰かに見て欲しいから」じゃない。
自分がそう在りたいから。
私の通っていた高校には、それを理解していない男子があまりにも多すぎて本当に本当に呆れる。
女の子が可愛くあろうとする理由は、絶対に俺ら(男)だ。という自信が凄まじかった。
モテたいから鏡を見てるんだ、モテたいから髪型を変えたんだ、モテたいからスカートを短くしているんだ...etc
私の中のスネイプ教授 「そこまでして貴様らにモテたところでどうする。我輩は貴様らに好かれたとて嬉しくない。不愉快だ。アバダケダブラ」
文句言ったら性格悪い認定される、多分。
(どっちがだよ)
(ああ、こういう人達が女を締め付けていくんだな)と、高校生ながら、ぼんやりと思った。
俺らは選ぶ側でお前らは選ばれる側!というアホ思想も強かった。
もちろん、男子が全員こんなバカげた考えを持っていたわけじゃないのは分かる。
でも、どうしてジャッジする側だと信じてやまないのか。超絶ポジティブ思考じゃん。
私は何か言われたとき、100倍返しの悪口を展開出来るけど、本当に傷ついて泣き寝入りしてしまう女の子もいるんだろうな。
私もそうだった。
スネイプ教授を召喚出来るようになるまでは。
私が黒い外套をはためかせて行くからみんないつでも呼べよ。